<こんな今だからこそ、読まれるべき本>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、この本。
内容<amazonより>
ソ連では第二次世界大戦で100万人をこえる女性が従軍し、看護婦や軍医としてのみならず兵士として武器を手にして戦った。しかし戦後は世間から白い目で見られ、みずからの戦争体験をひた隠しにしなければならなかった――。500人以上の従軍女性から聞き取りをおこない戦争の真実を明らかにした、ノーベル文学賞作家の主著。(解説=澤地久枝)
◆この本は
ボリューム:★★★★☆(よくここまで取材できた)
読みやすさ:★★★☆☆(難しくはないが苦しいです)
衝撃的 :★★★★★(とにかく壮絶)
読む意味 :★★★★★(今だからこそ、読まれるべき本)
どうして少女たちは志願して戦地に向かったのか?
という最大の問いと、戦地から帰ってきた彼女たちに、戦後もう一つの戦いが待っていたこと。
その辺をじっくり読むことであの戦争の別の顔が見えてくる。
貴重な歴史的資料でもあると思いました。
◆内容紹介・感想
この本は、本屋大賞「同志少女よ、敵を撃て」執筆のきっかけとなった本です。
人類史上最悪の戦争であった、第二次世界大戦の独ソ戦。
この戦争を当時の女性の言葉で表現すると、まったく違った世界が見えてきます。
そこには、ソ連としてはまったく不都合な真実も記されています。
一番最初に驚いたことは、戦争に従軍していた女性といっても、実際の彼女たちは、どうしようもなく、純粋な少女たちだったということです。
高校生や大学生ぐらいの女の子がチョコレート菓子をリュックに詰めて(!)戦場に旅立っていくのです。
なぜ、そんな若い女の子たちが志願して戦場に向かっていったのか?ということです。
もちろん戦争に行かない女の子が大部分です。戦争に行かなかった子たちは普通に高校や大学に行っているんです。
また、彼女たちは後方支援でなく「とにかく前線で戦いたい」と言うのです。例え後方部隊に配属されてもこっそり抜け出して前線に合流したりするんです。
そこが一番の「どうして?」でした。
ここがやっぱり、国内に流れていた「空気」というものでしょうか、それに一番敏感に反応してしまったのが、純粋な若い子たちだった。
その若い純粋さゆえに、戦地へと駆り出したのかもしれません。
しかしそこで体験するのは、砲弾の雨と死体の山。
戦場ではとても簡単に人が死んでいきます。
純粋であったぶん、そこで受ける衝撃も人一倍だったと思います。
すぐに体がボロボロになってしまった、という話がありましたが、20歳そこそこにして、髪は真っ白になり、自律神経は完全に破壊され、子どもが産めない体になり、、まさにこれからという人生をどうしていくのか?という絶望から、彼女たちはどう生きていったのでしょうか。
戦場ではもちろん、男性兵以上に苦労することばかり。重い武器や荷物を抱えて移動するのは当たり前ですが、何度も書かれていて一番印象的だったのが、負傷兵を引っ張って連れ戻すという作業ですね。
大きな兵士を小柄な女子の衛生兵が長い距離引きずっていかなければならない。もちろん標的になって撃たれます。それでも連れて帰らねばならない。ひとり連れて帰ったら、また戻って次の人を、、。
医療チームと言っても、次から次へと負傷した兵の足を切断していくばかり。兵士は次から次へと運び込まれ、次から次へと死んでいく。
事実を記述していくだけでもおぞまさは十分伝わってきますが、彼女たちの感情を交えた証言が、どうしようもなく壮絶です。
共感力が高いというのも女性が多いですから、男性以上に想像を絶する場所だというのは想像できます。
色々と書いていきましたが、この本、よくここまで取材できたといえるほどのボリュームなので、まだ書きたいことがあるので、続きは日を改めて書いていきたいと思います!
では、また!