ちくわのぴょんぴょん読書日記 ~読書・読書会・哲学カフェ

読書・読書会・哲学・哲学カフェが好きな人間のブログ

主に読書メモ・読書会・哲学カフェについて書いています。

オンライン哲学カフェ第79回「懐かしい」①

<「懐かしい」には「中断期間」が必要>

 

おはようございます!ちくわです。

読書・読書会・哲学カフェが好きです。

この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。

 

私が参加していたある読書会の知り合い同士で始めた「哲学カフェ」。

2020年より主にオンラインの場に移し、「オンライン哲学カフェ」として楽しんでおります。(※今のところ、クローズドでの開催です)

今回は、第79回開催になります。

 

前回の第78回開催の記事はこちらになります。

chikuwamonaka.hatenablog.com

 

◆「哲学カフェ」とは?

哲学カフェとは、おもに身近なことがらについてテーマを1つ決め、それについてみんなで自由に意見を出し合う対話の場です。

「哲学」と書いていますが、ソクラテスやプラトン哲学がどうのといった話はほとんどしません。

私たちの哲学カフェで扱っているテーマは、「『普通』ってどういうこと?」だとか、「『自己責任』って結局何なの?」だとか、身近にありながら、答えがなかったり、人それぞれだったり、ふだんあえて時間をかけて考えたりあまりしない話題について、じっくり語り合っています。

そうすることによって、「あたりまえ」だったことに新しい側面を発見し、考え方・生き方に変化が起こることを楽しんでいければいいな、と考えています。

当哲学カフェはいわば「日常生活を哲学する」ことを目指しています。

 

◆「Zoom」を使っています

今回も、「Zoom」を使用。

「Zoom」はすっかりおなじみですがとても使いやすいオンライン会議アプリです。

主催が会議を「○○日の●時~●時」とスケジュール設定すると、「会議ID」が発行され、参加者はPCのZoomホームページやスマホアプリから、その「会議ID」を入力するだけで、アカウントを作る必要も無く、簡単に参加できます。

 

◆この日のテーマ

この日の参加者は6名(「聞き専」含む)。時間は2時間です。

オンラインにおいても、実際の哲学カフェのように、進行役を決め、1人ずつしゃべる方式にしています。

しかしながら一部の人しか画像を映していないため、挙手が見えないので、発言したい人は「ハイ○○です。」と言い、進行役が指名するという感じにしています。

今回は、いつも進行役のひじき氏がお休みのため、代打でF氏に進行をつとめていただきました。私ちくわはいつも通り書記役を担当しました。

 

この日のテーマも、メンバーの推薦により選ばれた

 「懐かしい」

です。

 

懐かしい景色、メロディー、顔ぶれ。

懐かしいとはどういう感情なのでしょうか。

本人が見たことがないはずの時代の風景などを「ノスタルジック」と言って懐かしめるのはどうして?

「レトロ」はどうしてブームになる?

では、実際出てきた意見と感想を簡単に書いていきたいと思います。

 

◆思い出とそうでないもの

まずは、「懐かしい」と感じるものを思い思いに挙げていきます。

・故郷、親

・故郷に近い風景

・アイドルソング、TV番組

・アニメのキャラクター、子供のころ遊んだおもちゃ

・昔ながらの電車

・ナポリタンスパゲッティ、お母さんのコロッケ

 

色々と出てきますが、多くは、自分が子どもの頃や若かりし頃の「思い出」とセットになっているものです。

古いものであって、実際に自分がそれに触れてきたこと。

 

しかしながら、いわゆる「レトロ○○」のような、懐かしい雰囲気を醸し出している場所に来ると、実際の自分の思い出として持っていなくても「懐かしい」と感じるのはなぜか?という問いが残ります。

これは後半戦で触れることとして、まずは「懐かしい」の正体ですね。

 

◆良い印象は「懐かしい」のか

「思い出したくない、いやな出来事は『懐かしい』と思わないのでは」

という意見から、「懐かしい」と思い出の良しあしとの関係、という問いが出てきました。

 

そこから、戦争や、震災、近いところでいうとコロナ禍の出来事は懐かしいかどうか、という話になっていきました。

「確かに辛かったことはあるけれども、懐かしく語れる部分は確かにある」

「本当に悲惨だったことは懐かしめないが、その前後の頑張ったことなどは懐かしい」

「若い頃、失恋したときに何回も聞いていた曲は懐かしいと思う。」

など、さまざまに意見が展開されました。

 

しかし、懐かしいと思うのにはある程度、「過去の出来事」を「肯定的」に捉えていることは必要だと思われました。

 

◆中断の法則

「亡くなったおばあちゃんは懐かしいが、生きている親は懐かしくない」

「10年ぶりに聞くと懐かしいが、10年ずっと聞いていると懐かしくない」

「給食は懐かしいが、そこにある白米は懐かしくない」

という意見がありました。

 

「懐かしい」は、対象に触れることを「中断する」期間はさむ必要があるのでは、という解釈になっていきました。

 

そこから、「懐かしい」にはどれぐらいの期間、空ける必要があるのか、近いことでも「懐かしい」と思えることはあるか、という話に広がっていきました。

「思い出自体の強さ×触れている期間の長さ」というような公式まで登場してきました。

 

◆思い出にない「懐かしい」とは

「懐かしい」を解きほぐしているだけで、すでに1時間が経過していて、最初の問いである、「自らが経験していないことに対する『懐かしい』についての検討」がされないままでしたが、いったん休憩に入りました。

今回はなかなか、思い出に残る(懐かしめる)回になりそうです、、。

 

哲学カフェはまだまだ続きますが、長くなってきましたので、続きは日を改めて書いていきたいと思います。

 

では、また!