ちくわのぴょんぴょん読書日記 ~読書・読書会・哲学カフェ

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主に読書メモ・読書会・哲学カフェについて書いています。

「ショーペンハウアー 欲望にまみれた世界を生き抜く」梅田孝太①

<目の前のモノは欲望によって形作られていると考える>

 

おはようございます!ちくわです。

読書・読書会・哲学カフェが好きです。

この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。

 

今日は、この本。

 

内容<amazonより>

ショーペンハウアー

苦しみに満ちた人生を、いかに生きるべきか。
欲望を原動力とした現代社会の歪みが、生きづらさに拍車をかけている。
苦悩や葛藤から自由になる道を考え抜いた哲学者が導く「生きるヒント」とは。

叱咤激励、小気味よいアイロニー。
人生の悩みに効く「求道の哲学」と「処世の哲学」。

◆この本は

ボリューム:★★☆☆☆(100ページ)

読みやすさ:★★★☆☆(哲学の本とは思えないほど読みやすい)

理解できた:★★★★☆(わからないところは少ない)

考えが広がる:★★★★☆(西洋的なものと東洋的なものの融合)

 

私たちが日々惑わされている何かを「生きようとする意志」という言葉に置き換え、そこから一歩引いて、観察することの大切さを教えてくれます。

東洋文化の日本では入ってきやすい思想です。非常に読みやすくコンパクトにまとめられている良書です。

 

◆内容紹介・感想

「生きることは、つらいこと」と、多くの人が日々感じています。

 

「そのつらさを和らげるには、どういう考え方を持てばいいの?」と考えることと、

「そのつらさを理解したうえで、この世の中とどう付き合っていけばいいの?」と考えること。

 

本書はこの2点に焦点を当て、ショーペンハウアーの思想をもとに、「生きていくためのヒント」を与えてくれています。

 

そのひとつが、

「世界はわたしの表象である」という考え方です。

 

世界というモノが無条件に実在していて、そのうちに自分もモノとして実在しているという想定が、ひとつの思い込みにすぎない。


そもそもわたしたちは「世界」が「そのもの自体」としてどういうものなのかを知らない。人間が知っているのは、あくまで「主観と関係するかぎりでの世界」だけだ。

「無条件に存在する世界」の全体の認識は、神の視点にでも立たなければ実現しない。


したがって、人間が見ている世界は、どこまでいっても一定の制約から逃れられない、不完全なものに過ぎない。私たちが世界と呼んでいるもの=表象に過ぎない。

 

こういうふうに解説されています。

 

「人生はつらいものだ」「生きている意味」という大きなものだけでなく、

目の前にいる家族や、上司、リンゴ、聞こえてくる道路工事の音、そういったものすべてが、「自分にとっての意味付けをされて」認識されていると考えます。

 

あらゆるものが「自分にとっての意味付けがされているものだ」と考えることで、それが「絶対的なものではない」と気付くことができます。

 

そうすると、それについて、「なぜ、そうなっているのか?」と問うことが出来ます。

そうすることで、世の中の「当たり前」が、当たり前ではなくなってきます。

 

「人生はつらいものだ」について考えていくと、

「無尽蔵に湧き続ける欲望を肯定し、より多くの満足感を手に入れようと努力し続ける、この出口がない現代の世の中」と筆者は表現したうえで、

ショーペンハウアーの思想を借りると、「欲望を否定する」という逆転の発想が出てきます。

欲望を否定することによって、むしろ真の幸福を得る、という考え方なのですが、これがどこか仏教的であって、おもしろいですね。

 

もう少し続きを書いていきたいのですが、日を改めて書いていきたいと思います。

 

ありがとうございました。

では、また!