<息つく暇を与えない、最高の科学エンターテイメント!>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、この本。
内容<amazonより>
人類の希望は、遥か11・9光年の彼方――。
たったひとりの冴えた相棒と、謎の解明に挑む!
未知の地球外生命体アストロファージ――これこそが太陽エネルギーを食べて減少させ、地球の全生命を絶滅の危機に追いやっていたものの正体だった。
人類の英知を結集した「プロジェクト・ヘイル・メアリー」の目的は、ほかの恒星が光量を減少させるなか、唯一アストロファージに感染していないタウ・セチに赴き、その理由を探し出すことだ。
そして、〈ヘイル・メアリー〉号の乗組員のなか、唯一タウ・セチ星系にたどり着いたグレースは、たったひとりでこの不可能ミッションに挑むことになるかと思えた……。
2021年アメリカでの発売以来、NYタイムズをはじめ様々なベストセラー・リストに挙がり、ライアン・ゴズリング主演で映画化が進行中の、ファースト・コンタクトSFの新たな金字塔。
◆この本は
ボリューム:★★★★★(上下巻合わせると長いです)
読みやすさ:★★★★☆(読みやすい)
展開の上手さ:★★★★★(とにかく飽きさせない)
ハラハラドキドキ:★★★★★(無理難題が多すぎる)
あー、面白かった。
回想シーンによって、時系列にネタが小出しにされていくのと並行して、本線では宇宙船内で次々に新しい発見や事件が発生していきます。
一瞬たりとも読者を飽きさせない、最高のSFエンタメ小説に仕上がっています!
◆内容紹介・感想
※上巻部分のネタバレを含みますので、ご注意ください。
「うっそだろう!」から始まる、未知との遭遇。
内容紹介にあるように、主人公グレースが地球の課題を解決すべく、はるばる調査に向かったタウ・セチ星系で遭遇したのは、ひとまわりもふたまわりも大きい、別の宇宙船でした。
そして、そこにいたのは、クモのような、クラゲのような、宇宙人!!
この、宇宙人、ここでいったい何をしているのだろうか?
どうやら、悪い奴ではなさそうだが、どうやって、コミュニケーションとればよいのだろうか?
ここにも、作者独特の科学なネタが満載されています。
相手の宇宙船や宇宙人は、全く生命構造が異なっているようで、まず温度が違う、そして気体が違います。もちろん言葉も違います。
グレースが試行錯誤や工夫を繰り返して、この異星人とコミュニケーションをとっていくところが面白いんです。
この物語のハイライトのひとつと言っていいと思います。
同時進行で、グレースが挑んでいるミッションの内容と、乗ってきた宇宙船の仕組みについて、グレースが思い出すとともに、読者には明かされていきます。
そのミッションとは、太陽を覆いつつ増殖している微生物(「アストロファージ」と呼んでいる)の問題を解決するため、観測上ではその微生物の影響を受けていないと思われる「タウ・セチ星系」に言って調査し、地球にその調査結果をフィードバックすることでした。
そして、グレースが乗ってきた宇宙船は、回収した「アストロファージ」を逆にエネルギー源として利用している、科学の結晶ともいえる宇宙船となっていることがわかります。その名も「ヘイル・メアリー」号。
その「ヘイル・メアリー号」に乗って、人類を救うための壮大なプロジェクト、
この本のタイトル「プロジェクト・ヘイル・メアリー」は、そんな意味を持っています。
回想シーンで繰り広げられるドラマは、地球の危機の認識から、「アストロファージ」の研究、このミッションの立ち上げ、そして、この宇宙船を少しずつ作っていく、そんなストーリーになっています。
そこにも、科学のネタが詰まっていて、ここでも失敗と成功の連続で段々と宇宙に近づいていくところが、もう一つのハイライトといえます。
そして、この物語の最大の凄さが、ひとつの微生物「アストロファージ」という発想から、地球の危機が訪れ、ロケットをつくって、違う星に行って、異星人と遭遇して、という壮大なストーリーをつなげていくところです。
言ってしまえば、この物語は、「アストロファージ」がすべて、ということになります。
そこに、科学ネタを織り込んで試行錯誤を繰り返し、さまざまな命の危機と闘いながら前進していく、ということになります。
そこに、この異星人はどう絡んでくるのか?
この先は、ネタバレになるので控えておきますが、とにかく、最初から最後まで読者を書きさせない仕掛けが満載で、最高のエンターテイメントに仕上がっています。
何度も言いますが、あまり事前情報無しに読んでいくほうが面白いので、ネタバレはこの辺にしておき、興味を持たれた方は是非読んでみてください!
では、今日はこの辺で。いずれネタバレ篇を書きたい、と思っています。
では、また!