<人は人を想う。だから迷う。>
こんばんは。ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
新しい事、楽しい事は、何でも試して、失敗して、楽しんで。
今日は、何度も涙した、この本です。
<内容紹介 amazonより>
★映画化企画進行中! ★
シリーズ累計40万部突破! 本読み書店員が選ぶ「感動小説」第1位!
自分の余命を知った時、あなたならどうしますか?
死を肯定する医者×生に賭ける医者
対立する二人の医者と患者の最後の日々――
衝撃と感動の医療ドラマ!
【あらすじ】
あなたの余命は半年です――ある病院で、医者・桐子は患者にそう告げた。死神と呼ばれる彼は、「死」を受け入れ、残りの日々を大切に生きる道もあると説く。だが、副院長・福原は奇跡を信じ最後まで「生」を諦めない。対立する二人が限られた時間の中で挑む戦いの結末とは? 究極の選択を前に、患者たちは何を決断できるのか? それぞれの生き様を通して描かれる、眩いほどの人生の光。息を呑む衝撃と感動の医療ドラマ誕生! <文庫書き下ろし>
◆3人のキャラクター
この物語では、特徴的なキャラの3人の医者が登場します!
映画化企画進行中!ということなので勝手にキャスト予想しちゃいます(笑)
・桐子(松田翔太):闘わずに死を受け入れることで残りの人生を自分らしく生きようよ。
・福原(坂口憲二):最後まで絶対に諦めちゃダメ。希望を捨てず、あらゆる手を尽くす。
・音山(東出昌大):人はみんな弱い。弱いからこそ迷う。一緒に迷いながら進んでいくんだ。
◆延命か、尊厳か。
この物語は3人の「余命わずかな患者」と、それにかかわる医者とのストーリーです。
まず1話目の患者。
「延命か・尊厳か」という、ずっと語られているテーマに迫ります。
絶対にあきらめない、最後の最後まで闘う。という福原。
助かる見込みがないなら、延命治療をやめて尊厳治療に切り替えるべきという桐子。
病院内でも二人はお互いを認められず、対立をしてしてしまっています。
主治医は福原。患者本人も闘うつもりでいましたが、ある時桐子の噂を聞き、こっそり直接会って話をします。
そこから患者の心は揺れ動くのです。
最後の、家族への想いや感謝でいっぱいの手紙に、涙がとまりません。
◆強くなくったって、いい
2話目の主人公は、迷いがちな医者・音山。
進行の速いALSに罹ってしまった大学生の患者に対し、ずっと寄り添い、迷い、「患者のためには」をずっと悩み、退院の決断を下せない音山。
桐子や福原のように自分は強くなれない。音山は思い悩みます。
そんな音山でしたが、患者のほうが自ら「家に帰る」ことを選択します。
どうして彼女は尊厳死を選ぶことができたのか。
その理由を告げられた時、私は涙がとまりませんでした(再)。
◆感動のラスト
最後の3話目は、自分の意思を貫き、いつも「強くあった」桐子と福原が、ある患者の出現によって、迷うんですね!
最後のドラマも、涙・涙(再々)。
◆答えなんて、ない。
桐子・福原・音山。三角形のような特徴的なキャラを持った3人。
それぞれに真剣に患者に向き合い、すごく救われる患者もあれば、疑問をもったまま別れてしまう患者もいます。
しょせん人間対人間の問題ですから、答えなんかありません。
それでも、医者と患者はそれに向き合っていきます。
でも、作中にもありますが、これだけは言えるのではないでしょうか。
医者といえど、寄り添って、話を聞くこと以外、「もうすぐ死ぬ」という究極の苦しみに対してできることはない。
自分がもうすぐ死ぬとわかった。
そんなとき、周囲にどうしてもらいたいか。
最後まで希望を捨てたくない、でも残された時間を有意義に過ごしたい。
欲張りですが私はそうだろうと思います。
ぎりぎりまで逃げたいけど、最後の最後ぐらいは、「死」のほうに向き直って、自分から歩いていきたい。
以前にも書きましたが、覚悟を決めた瞬間に、何か素晴らしい体験ができると信じています。
では、また!