ちくわのぴょんぴょん読書日記 ~読書・読書会・哲学カフェ

読書・読書会・哲学・哲学カフェが好きな人間のブログ

主に読書メモ・読書会・哲学カフェについて書いています。

オンライン哲学カフェ第60回「スマホ脳」①

<意外と内容はシンプル。>

 

おはようございます!ちくわです。

読書・読書会・哲学カフェが好きです。

この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。

 

私が参加していたある読書会の知り合い同士で始めた「哲学カフェ」。

2020年より主にオンラインの場に移し、「オンライン哲学カフェ」として細々と楽しんでおります。(※今のところ、クローズドでの開催です)

今回は、第60回開催になります。

 

前回の第59回開催の記事はこちらになります。

chikuwamonaka.hatenablog.com

 

◆「哲学カフェ」とは?

哲学カフェとは、おもに身近なことがらについてテーマを1つ決め、それについてみんなで自由に意見を出し合う対話の場です。

「哲学」と書いていますが、ソクラテスやプラトン哲学がどうのといった話はほとんどしません。

私たちの哲学カフェで扱っているテーマは、「『普通』ってどういうこと?」だとか、「『自己責任』って結局何なの?」だとか、身近にありながら、答えがなかったり、人それぞれだったり、ふだんあえて時間をかけて考えたりあまりしない話題について、じっくり語り合っています。

そうすることによって、「あたりまえ」だったことに新しい側面を発見し、考え方・生き方に変化が起こることを楽しんでいければいいな、と考えています。

当哲学カフェはいわば「日常生活を哲学する」ことを目指しています。

 

◆「Zoom」を使っています

今回も、「Zoom」を使用。

「Zoom」はすっかりおなじみですがとても使いやすいオンライン会議アプリです。

主催が会議を「○○日の●時~●時」とスケジュール設定すると、「会議ID」が発行され、参加者はPCのZoomホームページやスマホアプリから、その「会議ID」を入力するだけで、アカウントを作る必要も無く、簡単に参加できます。

  

◆今回は、課題本形式の哲学カフェ

この日の参加者は6名(「聞き専」含む)。時間は2時間です。

オンラインにおいても、実際の哲学カフェのように、進行役を決め、1人ずつしゃべる方式にしています。

しかしながら一部の人しか画像を映していないため、挙手が見えないので、発言したい人は「ハイ○○です。」と言い、進行役が指名するという感じにしています。

 

今回は、久々に課題本を設定しての哲学カフェとしました。

課題本は

 「スマホ脳」アンデシュ・ハンセン

です。

 

<帯より>

スティーブ・ジョブズはわが子にiPadを与えなかった!?
うつ、睡眠障害、学力低下、依存症……最新の研究結果があぶり出す恐るべき真実。
教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となった世界的ベストセラー、日本上陸。

 

では、実際出てきた意見と感想を簡単に書いていきたいと思います。

 

◆この本は何を言いたいのか

まず、この本の大雑把な感想について。

自分を含めメンバーの多くが、「内容的には薄かった」という感想を持っていました。

それは、自分たちの既に知っていることが多かった、という印象からも来ているように思います。

 

この本の内容をひとことで言うと、スマホの人に対する影響力はとても強く、睡眠不足、学力低下、うつや身体の不調を引き起こすので、スマホと距離を置き、よく眠り、体を動かそう、という内容です。

 

確かに、常にスマホを持ち歩き、あるいは傍らに置いていて、無駄にニュースやSNSをチェックするという現象は自分の身にも起こっています。

 

その「無駄にニュースやSNSをチェックする」時間というのは、細かいものかもしれないですが、合わさると馬鹿にならない時間になってきて、それに対しては問題だと思いますし、そこは気を付けていかねばならないと、思いました。

 

◆スマホが脳をハッキングする

この本の中の表現「スマホが脳をハッキングする」という表現についての意見がありました。

SNSやオンラインゲームに「ハマる」仕組みとして、脳の報酬系メカニズムをうまく活用している、ということです。

なるほど、スマホアプリは既に人間の脳に作用し、人を思い通りに動かしえる能力を持ったということで、考えてみると非常に恐ろしいことです。

 

◆バカになっていく子供たち

直近の知能指数の低下傾向や、集中力の低下など、人間が本来使っている「空間認知能力」や「記憶力」をスマホアプリによって使わずに済んでいく結果、能力が衰えていっていて、これからもさらに進んでいくだろう、という指摘についてです。

これについては、「これがなぜ問題なのか?」という意見がありました。

 

脳の機能が少しずつ退化していくことで、生活が不自由になるわけではなく、それを機械が補っていくのだから、それは問題にならないのでは?ということです。

集中力が低下しても、苦手なマルチタスクをコンピュータが補っていけばそれが問題ではなくなるのでは、ということです。

 

子ども全体の知能指数が下がるから問題だというのではなく、知能指数が下がった結果、どういう問題が起こるのか?ということについては言及されていないのです。

 

◆本当の問題はどこにあるのか?

この本が指摘する問題、スマホからくるうつや不眠、健康障害を防ごうという内容については分かりました。

しかし、もっと大きな問題、インターネットやコンピュータが人間の仕事を奪うとか、人間の存在を脅かす、ということについては、そこまでは触れられていませんでした。

 

と、いうことで、この哲学カフェは、本の具体的な内容を飛び越えて、そこから連想される未来であったり、その未来と人間との関係性についての話に大部分を費やすことになりました。

 

その内容については、日を改めて書いていきたいと思います。

では、また!