<多く持っていることの脆弱性>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
今日は、この本。
内容<amazonより>
世界最高の「知の巨人」、
『ブラック・スワン』のタレブ集大成!
国家、社会の行く末から、生き残る仕事、学ぶべき知識まで――。
私たちはこれからどう生きるべきか、
万物に通じる思考のものさし
「脆弱/頑健/反脆弱」をもとに語り尽くす。
◆「絶対ない」は、絶対ない。
混迷の時代を強かに生き抜く至高のバイブル、待望の邦訳
経済、金融から、教育、テクノロジー、
食事、健康、果ては人生や愛まで――。
世界最高の哲人タレブが、ありとあらゆる事象に潜む
「脆弱性」と「頑健性」、そして「反脆弱性」について語り尽くしたとき、
ついにこの不確実な世界のバランスを崩す“犯人"が明らかになる。
「身銭を切らない人」とは、果たして誰のことなのか?
真に評価されるべき「英雄」とは、果たして誰のことなのか?
セネカ、ソクラテスに始まり、スティグリッツ、カーネマンに至る
人類が数千年かけて培ってきた「知」を駆け巡る本書を読み終えたとき、
あなたの「世界の見方」は大きく、そして根本から変わっているだろう。
なぜなら、この不確実な世界で不確実性を飼いならし、
したたかに生き延びるための「新たな知」を手にしているのだから。
◆世界が震撼した大ベストセラー!
「数々の洞察、物語、格言、面白エピソードに満ちた大胆、愉快、かつ知的な一冊。一度のみならず二度、三度と読みたくなるだろう」
――マット・リドレー(『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙に寄せて)
「変動に耐え抜くだけでなく、変動を利益に変えられるとしたら? 本書はそれを試みる究極のモデルを提示している」
――『タイムズ』紙
「たぐいまれなる予言能力を持った真に偉大な哲学者。力強く、独創的で、偽りのない独自の発想だけで、私たちの世界観をすっかりくつがえしてしまう」
――『GQ』誌
◆この本は
ボリューム:★★★★★(やっぱり多い)
読みやすさ:★★★☆☆(所々難しい言い回しも)
衝撃度 :★★★★★(既存の価値観をひっくり返されるのが醍醐味)
役に立つ :★★★★☆(身につけておいて、絶対損はない)
上巻読了後、2年越しに、下巻を読破しました。
衝撃的なことばかり、それほど私に、いくつものコペルニクス的発想の転換を促される本でした。
秩序を追求しすぎることは脆弱も招くので、ちょっと過干渉気味だなと思ったら、どっちが人間(動物)らしいか、を考えると良いと思いました。
◆内容紹介・感想
上巻を読んだのが、2021年春。
かなり前なので、まずは、上巻のことを思い出さねばなりません。
ブログをたどっていったら、しっかり書いていましたよ。しかも3回にわたって。
ブログに、この本のポイントが書いてあったので、せっかくなので転記しておきます。
・「反脆弱性」とは衝撃を糧にして成長する性質
・革命や進歩は「反脆弱性」が担っている
・一定量の負荷が、人や組織を却って強くする
・過度な計画は脆弱性を招くので危険
・リスク管理は、大きすぎるリスクだけ回避する
・オプションを活用し、損害は小さく、利益は大きく
確かに、この本のことを思い出してきました。
動物が進化したり、組織を強く維持したり。
そのためには、一定量の犠牲が必要であり、ある程度の不確実性を受け入れることが栄養となる、ということでしたね。
ここまで書かれていて、下巻に何を書くんだ?と疑問になってはいましたが、読んでみると、おおむね上記のポイントを補強する内容であり、具体例を交えて理解を進みやすくしている、といった印象でした。
そしてそのいずれもが、既存の価値観を覆してくれるような、エキサイティングな内容でした。
印象に残ったポイントは、下記のようなものです。
・多く持つことの脆弱性
・冗長性と、管理のリスク
・いじくり回しを否定しない
・古いことは頑健である
・過干渉は却ってよくない
・「医原病」ということ
・コンサルティングの弊害
(同じことを言っていたり、繰り返しになっているかもしれませんが、それがこの本の特徴であり、また自分の要約能力の低さでもあります、ご容赦ください)
とにかく、これに沿って、感想を書いていきたいと思います。
まずは、多く持つことと、過剰管理について。
これを読んで、真っ先にこれを思ったのが、仕事において、年々管理のための仕事が増えていると感じていることです。
報告書、申請書、監査、。
これが日常を支配していって、それをこなしていくだけで日が暮れていく日常にうんざりすることもあります。
この現象を、筆者の論拠にそって考えてみると、ひとつは、「すべては管理できる(全て管理しよう)という誤解」というのに当てはまるでしょうか。
60点しかとれていないものを80点にするのと、
80点をとれているものを100点にするのは、かかるコストや時間がはるかに違います。
パレートの法則(80:20の法則)とは 意味/解説 - シマウマ用語集
イメージはパレートの法則です。
100点を目指すために投入するリソースを、他に振り向けたほうがより効率的であるし、それをやらないことで起こる不確実性に個別対処していくほうが、多くの学びを得られて頑健性が増す、いいことずくめじゃん、ということになります。
まぁ、対処させられる現場としては、嫌だと思うんですがね、、。
そこは全体としてみればと、個々としてみれば、のギャップ(=あるある)なんですね。
また、「手を広げるとそれに付随する管理コストが足し算されていく」ということもあります。
部屋のモノが増えると、掃除の時間が長くなるし、何かをするときいちいちそれをどける手間がかかる。服が多いと選ぶ時間も増える。
友達が増えると心配の種が増える。
現代の私たちは、多くのモノを獲得することによって、多くの手間と心配をわざわざ増やしにかかっているといっても、過言ではないでしょうね。
そして、もうひとつが、「コスト削減や効率化による脆弱性」ということになります。
複雑化が進んでいる社会では、風が吹けば桶屋が儲かる的な、ある現象が思いもよらないトラブルの遠因になったりします。
しかも、システムトラブルに至っては、どうしてそうなったのかすらよくわからないことが多いように感じます。
そんな、複雑に絡み合っている仕組みの中で、できるだけ効率的にシンプルに、を目指した先に待っているのが、大規模システムトラブルです。
できるだけ効率的にやっているから、対処できる遊びがない、予備がない。
一旦トラブルが起こると、挽回にとても時間がかかってしまいます。
個人的に、いま大事だなと思っているのが「冗長性」という単語です。
無駄かもしれないけど、念のため、予備として、持っておく。
※そうやって旅行カバンの中の荷物が増えていくんですが(笑)。結局冗長性も程度の見極めの問題かもしれません。
まだまだ、続きを書いていきたいのですが、日を改めて書いていきたいと思います。下巻も3回ぐらいになりそうです、、。
ありがとうございました。
では、また!