<今年は滋賀が躍動しましたね>
おはようございます!ちくわです。
読書・読書会・哲学カフェが好きです。
この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。
読書について書いているブログなので、定期的に「読んだ本のまとめ」をやってみようというこの記事。
いつもは「読書メーター」という読書サイトに記録を付けていっていますので、もしご興味あればそちらものぞいてください。
今年は読了数が伸びないため、3か月に1回の更新になり、今年はこれで最後になります。
今回は年末ということで、年間のランキングを紹介したいと思います。
2023年に読んだ本はこちらです。
今年読んだ本は40冊。
前年が72冊でしたので、半分近くに減ってしまいました。
でも、冊数こそ減りましたが、今年は冊数にこだわらず読みたい本をじっくり読もう、とを決めていたので、そんな中で40冊、感想を書きながら読めたので、まぁ、良しとしましょう。
自分の最も印象に残った度合いに☆1~5つを付けているのですが、
本年「☆5」は13冊でした。
振り返ってみると、☆4の中からも紹介したい本があるので、改めてベスト5として組み直して紹介したいと思います。
9月までにベスト3として紹介したのもありますが、そことあまり整合性がないかもしれませんが、細かいことは気にせずにいきます(笑)
それではベスト5を紹介します
<まず、第5位!>
この21世紀の時代でも、戦車で他国を攻めていく国がありました。
それだけではありません、自分の住んでいる身近でも不穏な動きを感じる、そんな今だからこそ読まれなければいけない本だと思いました。
ここには、政治としての戦争というだけでなく、ひとりひとりの人間として見た戦争が、この本の中にはありました。
<読書メーターへの感想>
「同志少女よ敵を撃て」のいくつかのシーンがここにありました。どうして少女たちは志願して戦地に向かったのか?という最大の問いと、戦地から帰ってきた彼女たちに、戦後もう一つの戦いが待っていたこと。その辺をじっくり読むことであの戦争の別の顔が見えてくる。貴重な歴史的資料でもあると思いました。(☆4)
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<続いて、第4位!>
ミステリーもいろいろ読みましたが、これを今年の1番に選びました。
主人公の孤独な少女、そしてもうひとり、同じぐらい孤独な保安官。
その他の主要登場人物もみんなどこか訳ありなんです。
最初から最後までずっと、寂しげな空気が漂っているのですが、それぞれが大切にしたいものを持っていて、ラストには静かな感動を覚えます。
ストーリーもホントに良く練られていて、名作といっていいでしょう。
<読書メーターへの感想>
原題「We begin at the end」=終わりから始まる。終わってみれば、主人公の2人だけでなく、皆、ラストシーンのために行動してたんだね。ボタンの掛け違いみたいな歯痒さばかり募るストーリーでしたが、良く練られていて、私はとても好きです!(☆4)
<どんどんいきます、第3位!>
この本はブログや読書会で何度も紹介しているので、しつこいですが、文句なしのベスト本とさせていただきます。
エネルギーの科学的考察から議論を広げていって、抽象的なものである国や組織、経済までもがこのエネルギー法則に当てはまってしまうことに気付かされる、これはほんとうに衝撃的でした。
<読書メーターへの感想>
これは名著。人類の歴史をエネルギー視点で丁寧に考察していき、現代のハイスピード化する社会を「肥大化した散逸構造」だと看破しています。万物はエネルギーでありエントロピー増大の法則に従うと考えれば確かに、腑に落ちることばかりです!(☆5)
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<いよいよ、第2位!>
これはまた、すごい本に出会ってしまった、という感じでしたね。
主人公の一人は、「ほとばしる水にしか性的興奮を感じない」という「特殊性癖」のせいで、社会に自分の居場所がなく孤独に落ちていきます。LGBTQ+でもない、それは「多様性を尊重」という枠にも入れない人たち。
朝井文学の素晴らしいところは、社会に潜む問題を俯瞰して風刺的に見る(これだけでも充分面白いのですが)だけでなく、そこにある「人間臭さ」に寄り添うことで、読者の心にじかに刺さってくるところではないでしょうか、、。
<読書メーターへの感想>
少数派に立つ当事者側の心理描写が素晴らしく、更に、周囲の人達の対立表現が特に面白かった。自分の理解の及ばない部分に想像を巡らそうとする人と、一方で自分の価値観を死守するために例外を排除しようとする人。後でじっくり感想を書いていこうと思います。(☆5)
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<そして、第1位は!>
これに決めました!
間違いなく、これは、地球の危機。
絶体絶命の中、なぜかよくわからないまま宇宙に放り出されている?主人公のグレース。
宇宙船の中でも、トラブルに続くトラブル。
なのに、「オーケイ」「ワオ!」っていう軽いノリと、何とかテンポよく切り抜けていく科学者の姿がとにかく楽しいのです。
本当に面白いです、文句なしにオススメです。
<読書メーターへの感想>
上
どこかの密室で昏睡状態から目覚めた主人公。しかし彼は、とんでもない使命を背負って宇宙へ送り出された英雄だった?主人公の軽いノリが楽しく、科学ネタが随所に絶妙なトリックとして活かされていて、唸るような展開の上手さです。(☆5)
下
回想シーンによって、時系列にネタが小出しにされていくのと並行して、本線では宇宙船内で次々に新しい発見や事件が発生していくので、一瞬たりとも読者を飽きさせない、最高のSFエンタメ小説に仕上がっています!あー面白かった!(☆5)
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そして、どうしても紹介しておきたい、番外編①!
いやはや、この本は衝撃的でしたね。今年を象徴する1冊といってもいいですね。
滋賀(というか大津)を舞台に、唯一無二のキャラクター、「成瀬」が暴れまわる、痛快青春小説です!
何度も繰り返しますが、愛すべき「成瀬」のキャラクターの勝利です。
読まなきゃ損です。
そして、いつの間にやら、
「ダ・ヴィンチ」BOOK OF THE YEAR 小説部門 1位、
「読書メーター」OF THE YEAR 1位
ホントに成瀬は天下を取ってしまいましたね!おめでとうございます!
<読書メーターへの感想>
面白かった。一冊まるごと「滋賀」の青春小説!平和堂の入口のアルコールは確かに出すぎる!完全無欠キャラの成瀬は最高でしたが、人間味の最終話でさらに好きになりました!でも、成瀬のイメージ、どうしても表紙のイラストと合わないんですよね。(☆4)
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これでほんと最後、番外編②!
今年最後のご紹介は、こちらの直木賞受賞作です。
最後も、滋賀で終わります。まさに滋賀づくしの1年となりましたねぇ。
舞台は戦国時代、近江の石垣積み職人集団、「穴太衆(あのうしゅう)」が主人公。
同じく近江を本拠とする鉄砲鍛冶「国友衆」と、忍びの「甲賀衆」も出てきます。
関ヶ原決戦直前、戦国最後の混乱に、武士だけではなく彼ら職人集団が激突する、痛快歴史エンターテイメントです!
<読書メーターへの感想>
「石垣を積む職人」という題材で、ここまでのエンターテイメントに仕上げてくるのはすごい!石を積みながらのバトルシーン描写はめちゃくちゃ面白いです。光成が動き出してから大津城の攻防へ、ノンストップで一気読み間違いなしです。(☆5)
今年のベスト本+αのご紹介は以上です。
本年もお付き合いいただき、ありがとうございました。
前年までと比べてかなりペースダウンしましたが、このブログも続けていきますので、来年もどうぞよろしくお願いします。
来年も、皆さんがいい本に出会えますように。
では、また!よいお年を。