ちくわのぴょんぴょん読書日記 ~読書・読書会・哲学カフェ

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主に読書メモ・読書会・哲学カフェについて書いています。

2022年下半期の読んだ本まとめ+おすすめ本ベスト5

<下半期は、この本たちです!

 

おはようございます!ちくわです。

読書・読書会・哲学カフェが好きです。

この何だかよくわからない人生に問い続け、その「わからなさ」を日々味わって楽しんでいきたいです。

 

例年、年間マイベスト本ランキングというものを記事にしていましたが、そういえば、7月に上半期ベストをやっていたことを思い出しました。

こちらです。

chikuwamonaka.hatenablog.com

 

ということで、今回は、

2022年下半期、面白かった本ベスト5!

 

いつもは「読書メーター」という読書サイトに記録を付けていっていますので、もしご興味あればそちらものぞいてください。

ちくわ - 読書メーター

 

7月~12月に読んだ本は33冊。

昨年よりだいぶ減りましたが、いくつか理由があって、

仕事が忙しくなり読書時間が取れなくなったことと、

月に1冊ぐらいは時間がかかっても読みたい本を読もうという読書スタイルの変化もあります。

 

自分の最も印象に残った度合いに☆1~5つを付けているのですが、

「☆5」は13タイトルでした。

☆5の一覧はこちら。

 

その中から、ベスト5をご紹介します。

 

では、早速、

<第5位>

この本は技術的なこととか、オンラインゲームの種類とか、そういう知識的なこともためになったのですが、そういうことよりも多くのページを割かれているのが、「メタバースとは人にとって本質的にどういう価値なのか?」という哲学的考察と、「メタバースが今後SNSに取って代わるだろうという社会学的背景」について述べられており、読みながら「自分たちにとって『世界』の捉え方がどう変わってしまうんだろう?」という想像が働いた著書でした。面白かったです!

 

<読書メーターへの感想>

とても読みやすくためになる良書です。メタバースが目指す「新しい居場所」とは。VUCAが進む時代においてサンクチュアリとして発展していくだろうし、SNSの代替的に一定時間、別人格としてメタバースで過ごす時代が来てもいいと思いました!

 

 

<第4位>

テレビの裏方の仕事をしている主人公が、ある夏の数日に起こった不思議な出来事を描いた、「燃え殻」さんの私小説的文学作品です。

登場人物がほぼ4人だけで読みやすく、それでいてグイグイ刺さってくる言葉で自分の心を攻めてきます。これは、読む世代を選ぶかもしれないですが、たまらないです。

 

<読書メーターへの感想>

これは、理屈抜きに、好きでした。普通に最悪な日々を送っていた男に訪れた、ある夏の、たった数日間のバグ。物語が終わりに近づくにつれて、夏休み終盤の小学生のような寂しさを主人公といっしょに味わいながら、読んでいました。北ウィング、いいなぁ。

 

<ブログ記事もあります!>

chikuwamonaka.hatenablog.com

 

 

<第3位>

先日、ブログ記事を書き終えたところですが、メタバースもそうなんですが、テクノロジーが発達した未来というものは、どういうことになっているのか?ということを、人類の歴史から丁寧に考察している壮大な物語になっています。

地球の支配者となった人類が、人類の発展と存続という価値観を突き詰めていった先に待っている皮肉な結果とは?そこにはもちろんはっきりした答えはありませんが、読む側の想像意欲を掻き立てる、名著ですね!

 

<読書メーターへの感想>

<上>人類は大規模な課題をほぼ克服した今、どこを目指し、その先には何が待っているのでしょう?そんな問いから壮大な思想の旅が始まります。まずは科学により信じるものが「神々」から「自分自身」への変化したことを考察していきます。

<下>神に代わって思想の中心になった人間至上主義がついに転換点を迎え、代わりにアルゴリズムが席巻しそうですね。しかし考えようによっては、狩猟採集時代の、「人間は自然の一部」という健全な思想に戻るということかもしれません。

 

<ブログ記事もあります!>

chikuwamonaka.hatenablog.com

chikuwamonaka.hatenablog.com

chikuwamonaka.hatenablog.com

 

 

<第2位>

「戦争が終わった日」のあまりに濃密な24時間、とてもドラマという言葉で片づけられない、70年以上続く現在の日々を決めた、そんな1日といっても過言ではないです。

「戦争をやめることの難しさ」というものは、こういうことなのか、と学びました。

 

<読書メーターへの感想>

8月15日正午の玉音放送が無事にラジオから流れた裏で、ここまでのドラマがあったとは。天皇の言葉のもとで「終戦」という目標に向かい、すべての人が私欲を捨て自らの仕事に邁進しています。こういう本はほんと、読んでおかないといけないですね。

 

<ブログ記事もあります!>

chikuwamonaka.hatenablog.com

 

 

そして、第1位は、、、

 

 

<第1位>

3年前に「飛び降り自殺をした」主人公が生き返ってここにいる?そんな謎に始まり、その主人公が「俺は飛び降り自殺ではない」と言い出すのですから、さらに謎は深まります。

しかし、本当の物語はその先にあって、「身近な人を失うこと」によって、その周りの人の意識の中のその「いなくなった人」はどう変化していくか、というような哲学的問題に挑戦しています。

昨年から今年にかけて、平野啓一郎さんの作品に多く触れ、ここがすごいと感じた事ですが、社会現象をうまく取り入れていることで読み物として面白いだけでなく、上記のような「自分の中の他人」「他人の中の自分」という問題に常に向き合っている、そして自分も一緒になって考えさせられている、ということでした。

 

<読書メーターへの感想>

<上>3年前に妻子を置いて飛び降り自殺したはずの主人公、徹生がなぜか生き返った。徹生は本当は自分は殺されたのだと、犯人探しを始めるので、ミステリーかと思いきや、世界中で同じような死者の復活がだんだん増えてきて、その後の展開が全然読めません!
<下>徹生は復活をきっかけに、自分や他人が死ぬとはどういうことかについて考えていきます。哲学的に問うとものすごく難しいことですが、著者が提唱する「分人」という枠組みを通じて考えていくことで、自分の中でも相当なブレイクスルーがありました!

 

<ブログ記事もあります!>

※2本目はネタバレを大いに含みますので、ご注意願います。

chikuwamonaka.hatenablog.com

chikuwamonaka.hatenablog.com

 

 

以上、2022年下半期ベスト5でした。ありがとうございました。

 

冊数を増やせなくなった今となっては、今まで以上に本は「偶然の出会い」だと感じるようになりました。

もちろん、当ブログや読書メーター、あるいはツィッターでフォローさせていただいている方々の推しを参考にさせていただいて選んでいますが、、。(便利な時代になったものです。)

日々楽しく読書ができて、結果としてまたこういうふうに感動をお伝えできたらいいなと思います。

今年一年、読書ブログにお付き合いいただいた方々、本当にありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いします。

 

では、また!